今年の三月に久しぶりに血液検査に行ってきました。普段、鉄分の大切さは充分理解しているつもりなので、買い物に行けばレバーを買って、お湯は鉄のやかんで沸かしています。
しかし、結果は隠れ貧血!
2年ほど前に約1年間ヘム鉄のサプリメントを飲んで、貧血は解消していました。鉄分のサプリメントは貧血が解消されれば飲まなくてもよいと聞いていましたし、鉄分の摂取には気をつかっていたのでショックでした。そこで、実際にそのくらいの食品を摂取したらよいのか検証してみようと思いました。
なぜ、女性は貧血になりやすいのか!
鉄はどんなミネラルなのか

ミネラルとは栄養素として身体に必要な元素のことで、一日に100㎎以上必要なミネラルを主要ミネラル、100㎎以下必要なミネラルを微量ミネラルといいます
鉄分は微量ミネラルのひとつでその中では一番必要量が多いです
身体の中の鉄分の2/3はヘモグロビンとして赤血球の中にあり、酸素を全身に運んでいます
私たちは酸素を使ってエネルギーを生み出して生きているので、その酸素を運ぶヘモグロビンが不足した時にすぐ使えるように肝臓や脾臓、骨髄に鉄分を貯蔵していて、これはフェリチンと呼ばれています
ヘモグロビンが不足している状態を鉄欠乏性貧血、フェリチンが不足している状態を潜在性鉄欠乏と呼びます
今回の私の血液検査はフェリチンが不足しているので潜在性鉄欠乏と言えます
一日に鉄の必要量は1gだけど女性は2g
鉄は身体の中に3000mg~4000mgあると言われています
鉄は私たち身体にとって重要なミネラルなので、できるだけリサイクルして、あまり排出しないようにできています
それでも、一日に約1mgが小腸の粘膜が剥がれ落ちることや汗、髪、爪そして少ないですが便、尿から排泄されています
ただし、女性は一度の生理で30mgが失われると言われています
さらに、妊娠中の女性はその10倍赤ちゃんへの栄養で失うと言われています(妊活中の女性はチェック)
なので、女性は平均すると一日に2mgの鉄分が必要というわけです
つまり、男性の2倍は鉄分が必要なんですね
鉄分は吸収しにくい栄養素

私たちの身体に食べ物として入ってくる鉄分には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」があります
動物性たんぱく質に豊富なヘム鉄は鉄単体ではなく二価鉄とポルフィリンという有機化合物からなり、そのままの形で吸収されます(ちなみに赤血球のなかのヘモグロビンはヘム鉄とグロビンというたんぱく質)
植物性タンパク質に豊富な非ヘム鉄は3価の鉄でビタミンCやタンパク質を食べることで胃で分泌される消化酵素や胃酸によって2価の鉄に還元されてから吸収されます
これが、非ヘム鉄の吸収されにくさであり、ビタミンCやタンパク質と一緒に摂ることで吸収率があがる理由です
| ヘム鉄 | 赤身の肉・魚やレバーなど 動物性の食品に豊富 | 吸収率は10~30% | 独自の吸収経路を持っているの |
| 非ヘム鉄 | ほうれん草などの野菜や 鉄なべなど調理器具から溶け出した鉄分 | 吸収率は3~5% | ・亜鉛や銅と吸収経路が同じで競合する ・タンニンや食物繊維に吸収を阻害されやすい ・ビタミンCやタンパク質と一緒にとると 吸収されやすい |
仮に10mgの鉄分が含まれている食品を食べたとしても、その吸収率はよくて3mg、悪いと0.3mgということになりますね
このように吸収率がよくないことも、貧血になりやすいひとつの原因ですね
食事で十分な鉄分をとるには!
上記で生理が毎月くる女性の必要な鉄分量は一日2mg、一か月で60mgということがわかりました(実際の吸収率は個人差があります)
鉄分が豊富な食品とどのくらい食べたらよいのか
鉄分な豊富な食品をみていきましょう
| ヘム鉄 | 鉄分量 | 20%吸収できたときの 鉄分量 | 非ヘム鉄 | |
| あさり缶詰水煮 | 30mg | 6mg | バジル粉 | 120mg |
| 豚スモークレバー | 20mg | 4mg | タイム粉 | 110mg |
| うなぎ | 32mg | 6.4mg | 赤こんにゃく | 78mg |
| かたくちいわし | 18mg | 3.6mg | あおのり | 77mg |
| ぶたレバー | 13mg | 2.6mg | きくらげ | 35mg |
| 鶏レバー | 9mg | 1.8mg | ほうれん草 | 2mg |
| あゆ | 8mg | 1.6mg | 干し大根 | 3.1mg |
| 牛肉 | 3.5mg | 0.7mg | 小松菜 | 2.8mg |
| かつお(生) | 2.6mg | 0.52mg | 枝豆 | 2.5mg |
非ヘム鉄について
表にしてみるとほうれん草は鉄分が豊富なイメージがありましたが、意外に少ないですね
ほうれん草は一束約45gと言われています
一人で2束食べて、鉄分を5パーセント吸収できたら0.1mg弱です
バジルやタイム、パセリなどは料理に振りかけて手軽にとれるので、とりいれやすいですね
メインの鉄分の補給にはなりませんが、補助的につかっていくのはよさそうです
ヘム鉄について
レバーでは豚が一番鉄分が豊富で、赤身肉は鉄分が多いイメージですが牛肉やかつおはあさりなどの貝類に比べると少ないですね
あさりの水煮缶は仮にホテイフーズの物だと可食部60gなので二人で食べたら30g、鉄分は一人当たり9mgで20%くらい吸収できたら2.7mgなので一日の鉄分量は超えてます
この表にはありませんが、しじみやあわびも鉄分含有量は多く、貝類は食卓に取り入れていくとよさそうです
豚レバーであれば豚レバーを150gくらい食べると2mg吸収できるかなといったところです
一人前のレバニラですら、150gもレバーを使うでしょうか…
単体、一食で一日の必要量をカバーしていこうというのは難しいので、一日三食、一週間でバランスをとっていくのがよさそうです
鉄なべが貧血を救う?

カンボジアでは人口の半数が鉄欠乏による貧血で苦しんでいたが魚の形をした鉄の塊をお鍋で料理と一緒に10分に煮るだけという簡単な手法で50%の人が改善したんです!
Lucky Iron Fishは、飲み込むのではなく、沸騰した鍋に10分間入れて使用する。カンボジアでは、Lucky Iron Fishを使用し始めるまで、人口の約半数が鉄欠乏による貧血で苦しんでいたが、これによって摂取する鉄分を増やすことができた。
カンボジアの人を貧血から守る鉄製の魚「Lucky Iron Fish」https://wired.jp/2015/07/04/lucky-iron-fish/
日本でも今ではテフロン加工のフライパンや調理なべが増えたために、そこからの鉄分補給が少なくなっているのは事実だと思います
では実際にどのくらいの鉄分が鉄なべから溶け出ているのかについての論文がありました
尚絅女学院短期大学の今野 暁子教授と山形短期大学の及川 桂子教授
『調理中に鉄鍋から溶出する鉄量の変化』https://www.jstage.jst.go.jp/article/cookeryscience1995/36/1/36_39/_pdf/-char/ja
この実験は16センチの鉄鋳物小鍋を用いています
まず、鉄なべから本当に鉄分は溶け出ているのか見てみましょう

調味料を入れずに煮たり、炒めるのは鉄分はそこまで増えてませんが、酸性の調味料を入れて煮ると鉄分が溶け出やすいことがわかります
次に調味料を入れて煮た時間がたつと鉄分の溶け出る量に変化はあるのかを現したグラフです

ガラスの鍋と比較していますが、鉄なべから鉄分が溶け出ているのがわかりやすいですね
そして、煮る時間が長い程鉄分が溶け出るのと、煮た後に放置するとさらに鉄分の溶け出る量は多くなって、例えば3食でこの量をみそ汁として飲めば一日で3.82mgの鉄分を摂ることができます
さらに、鉄なべから溶け出た鉄分は非ヘム鉄の中でも2価鉄という吸収しやすい形なのですが、そのまま放置すると自動酸化されて3価鉄に変わりやすいそうですが…
酢をいれることで吸収されやすい2価鉄のままでいやすいこともわかりました!
その場合、植物からとる非ヘム鉄よりは吸収率が高いことが予想されます
必要量の鉄分がどのくらいか見定めるのは難しい
これまで食品中の鉄分量や鉄分の吸収率をみてきました
その中で胃酸によって三価鉄が二価鉄にされてから吸収されることがわかりました
さらに、鉄分は私たちの身体に大切なだけではなく体内のよくない細菌にも大切な存在なのです
なので、体内で炎症が起こっているとヘプシジンというたんぱく質が鉄分の吸収・再利用を抑えてしまいます
これは身体が有害な細菌に鉄をあけわたして、感染症にならないためにする大事な働きなのですが、それが続くことで鉄分が吸収できないケースがあります
炎症とは風邪やケガのような短い期間のものありますが、歯周病、のどの奥の上咽頭炎、胃腸の炎症など本人が気が付かない慢性炎症もあります
なので、鉄分の吸収には胃酸がでにくい、炎症があるなどの個人差も関わっているのです
私がこれからやっていくこと
このように鉄分についてみてく中で私がこれから気をつけてみること
①レバーや赤身肉、貝類などを意識してとっていく
②非ヘム鉄のパセリやタイムなどを振りかけたりしてこまめにとる
③鉄なべで酢を添加して、みそ汁を作り、飲むようにする
④煮込み料理も鉄なべで作る
まずは三か月ほどこの生活をしてみて、血液検査をしてみようと思います
それで、結果がでなければヘム鉄サプリメントを再び試してみようと思います
まとめ
・鉄は主に酸素を運ぶために必要で体内の多くをしめ、それ以外に肝臓などに貯蓄されている
・女性は生理があるため男性よりも貧血になりやすい
・鉄にはヘム鉄と非ヘム鉄があり、比較的吸収しにくい栄養素である
・ヘム鉄は動物性食品に多く、非ヘム鉄は植物性食品に含まれている
・鉄瓶・鉄なべ・鉄卵を調理に使うことで鉄分が溶け出て鉄分摂取に役立つ
・鉄分の吸収量は胃酸の出具合や身体の炎症にもよって変わる



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